誰もいない倉庫で
人がいなくなった倉庫から
今日はでれるかと思ったのだが
まだ少し手間がかかりそうだ。
9月19日
山口小夜子の誕生日。
お別れ会が築地本願寺で催された。
小夜子さんは
僕の誕生日に風のようにこの世から消えた。
秋に
展覧会と山口小夜子特集の夜想を約束して
作業に入っていた。
寺山修司も土方巽もボイスも
死は大きな衝撃だったが
どこかに死の匂いがしていた。
覚悟というには意識していないのものだが
小夜子さんに消えるという予感はなかった。
小夜子さんは
これからの若い人たちとユニットを組んでいた。
ディレクションされるモデルやパフォーマーから
自分の意志でつくる人になろうとしていた
それも若い人たちの才能を花ひらかせようとしながら
その思い切った姿勢に
賛同して
bisと夜想での特集を決めたのだ。
二人で
そして若い共同者たちと。
会にでたら
蟄居している倉庫から出れると
予感していたが
そうではなかった。
そこには同じような
体質が横たわっていた。