2005/08/27
アリス
腐敗した鏡の中には
何も見えない
でも誰かがいる
基本はアリス
だろうけど
そこからどれだけオリジナルの
物語を想像できるか
そして創造できるかが
これからのレゾンデートル
になるだろう。
2005/08/25
天使の羽根1
人形を見るとき
俺かい?俺は三人吉三の和尚の役回りだね
吉佐という名前が
本名かと聞いてみるとそんな答えが返ってきた
悪役?
いやぁそんなことはないだろう。歌舞伎はお手のものなんだろう…。
すぐにカウンターが入る
人形はオールビスクが最高だね
それは今までに実現されたことはなかったから
日本はいま人形の桃源郷ということになる
でも人形は肌とか手足のできとか
そんなもので決まる訳ではないでしょう。
ダンサーがふっと立ったときに
そのオーラで決まるように
全体とか顔とか
そんなもので人形は見られるものなんじゃないの
本当は…
と、反論してみたが
まだ若いなと
一蹴されてしまった。
2005/08/20
天使の羽根2
人形を見る目
人形屋さのオーナーにインタビューをした
やはり人形を売ることを仕事にしている人は
その見方で人形を見ている
興味深かった
人がどうみるか
人が何故、人形に囚われるのか
どこの部分に囚われるのか
そんなことをじっと見続けてきた人なのだ
だから人形店主の人形に対する
見方は
多くの観客の総体として存在する
お客は、究極、自分の意見を聞くことになる
だから有効なのだろう。
いや他人のことは言えない
それぞれは、自分の見方でものを見て
感じて
売ったり、買ったり
語ったりする
自分の見方は自分で作り上げたものではない
大きな外の何かによって作られてしまったものなのだ。
飴屋法水の展覧会にしても
消失している
いくつかの言た葉があるだけで
観客の見方は千差万別になる
オールビスクの価値観も
誰が作り出したのか……。
面白いことはたくさんある。
2004/11/01
人形
城ケ島灯台は
紫の稲光で覆われた
雷雨の中、久々に邂逅した灯台は
見たこともない不可思議な
姿をしていた
雨が上がった後
恋月姫さんの人形撮影をした
灯台を背景に
ポーズを作っていく
ポーズそのものが風景を作り出すのだ
これは踊りにおける振り
と同じようなものだ
風景を作れるポーズを
懐胎しているのが人形なのだ
人形はポーズを予兆されて
生まれる
私は
仕事として側についていたが
できることは
何一つなかったように思う
2004/10/25
恋月姫さん
夜想『ドール』の反応が
少しずつ伝わってくる
死のイメージを感じている人たちも多い
硬質なそして凛とした死
表紙の恋月姫さんの人形を
怖いという人もかなりいる
恋月姫さんは
生と死の端境を見据えて
人形を作っている
生まれた瞬間の記憶は、ないけれど、
人間は死ぬことを知っている。
細胞は死ぬことをすでに体験している。
人は、知っていること以上の何かを知っている。
それを思いだしながら作っている。
少女の姿も自分の少女の姿ではない。
恋月姫さんの話を聞いていると
三木成夫の『胎児の世界』と夢野久作の『ドグラマグラ』を思いだす。
細胞の記憶のなかに自分以前の人間たちの記憶がある。
胎児のときに生命の進化を体験し、それを記憶している。
細胞の中にあるものを見るために人の形代が必要なのかもしれない。
2004/10/02
まるで
月蝕領を読んでいると
車椅子に坐って
崩壊を待っているかのようだ
2004/10/01
lunicole
lunicole(月の住人)
中井英夫の『月蝕領崩壊』からの引用
夜想が
瀧口修造の詩編『夜想』から引用されたように
2004/08/25
胎児の世界 三木成夫1
夏の暑い盛り
蝉時雨が耳を突く
東京芸大のキャンパスを抜けて
保健室に三木成夫さんを訪ねると
話ははずんでギリヤーク尼崎の
少女性などに及んだとき
懐から手製本の薄い冊子をとりだした
肌身離さず
もっていると
それは夢野久作の『ドグラマグラ』
の抜き刷りだった
夢野久作は
胎児の世界と夢の世界の
あいだに「細胞記憶」というかけ橋をわたしたと
三木成夫は語る
古生代の一億年を数日で復習する
胎児の世界
細胞にはすべての記憶が生きている
2004/08/14
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台風の先触れの雨が、黒塀を塗らしている。
午後4時に吉田屋料理店入った。
吉田さんがタオルを出してくれて、頭を拭いていると
やなぎみわさんもあらわれた。
ドールのインタビュー。
少女の話、人形の話……。
思っていた通り
人形には深い関係がありそうだ。