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column peyotl.jp

百物語——松岡正剛

百物語の百話目に何かが起きる。
それと同じで松岡正剛の千夜千冊
松岡正剛の千夜千冊その千一冊目に
何かが起きたというのは
因縁めいていて
21世紀になっても
こんなことが起きるのだと改めて驚く。

物語りは終わることを拒否するのだ。
だから終わらそうとするとき
何かの力が働く

松岡正剛は、千夜千一冊の途中で癌の手術で入院した
しかし9月3日、無事に手術を終えたようだ。
胃の3分の2を切除しましたが、術中の検査によって、がんの進行度は完全に早期段階であったこともわかり、リンパ節などへの転移もなく、最良の結果となりました。
と、hpに書かれている。

復帰して物語りを書き続けて欲しい。
千夜千冊は本の書評というより
松岡正剛の物語りである要素が大きい。
松岡流に言えば
本という
物—を—語っているのだ。

松岡正剛は雑誌『遊』の人だが
いま、ブログのような形式を得て
もっとも生き生きとしている。

松岡正剛は本のエンサイクロペディアを様々な方法や
メディアで実現してきたが
プログ的なネット上でクロスする感じが
ぴったりしている。

24字で流れている文体も
今までになく洒脱で軽快だ。
読んでいて生な松岡正剛の声がするし
文章としても美しい。

そして背後に松岡正剛は何万冊もの実際の本を
本棚に収めている。
ネット上のリアルと背後に所有している本のリアリティ……。
この階層が
どこか琴線に触れ、想像力を刺激する。

復帰してぜひ
ネット上のツリーの可能性をこれからも
粋にそしてパワフルに
進めていって欲しいと思う。
雑誌『遊』はここに最終形態を得て
最高の輝きをもっている

update2004/09/10