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内藤礼
舟送りの儀式が終わり
すべての舟が池の中で
土に戻った後
内藤礼は
舟を置いてあった
真っ白な展示会場に戻ってきて
しばらく窓から
中の光を眺めていた
そして樋の水に
息を吹きかけ波を送った
何かを確かめるように
波は白く細い樋を伝って
白に
溶け込んでいった
update2005/09/18
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向日葵
夏の終わりの
向日葵の屍体
猛暑の記憶を残している
儚い
見えないくらいの形が
実は
強い意志をもって存在する
記憶ももっていることがある
存在の強さは
形の強さとイコールではない
向日葵の強烈な屍体も
逆に儚いなにかを
もっているのかもしれない
update2005/09/17
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エコ・カフェ
エコ・カフェが
あちこちにできている。
無農薬のコーヒーに
無農薬の小麦で作ったスコーン……。
10年ほど前
初めて養殖の魚を食べなくなって
魚の味が分かるようになった。
同じように
飲み物の味覚も変って
コーヒーの豆の味が
本当に分かるようになるのだろうか?
今、思うのは
エコ・カフェの味は
思想と流行の味がするということ
思い違いかもしれないが……
天然の魚を食べ出した時に
物足りなさを感じたのと同じことかもしれないから
update2005/09/15
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本の骨
本の中には
空間がある
物理の空間も精神の空間も
ページとページの間には
空気がある
勅使川原三郎の
シルエットは
暖かい
そしてそこから
空気の波が
そこかしこに出ている
虚空から
空気をもらっていた
勅使川原三郎は
いま
空気の波動を発生できる
タービンになった
タービンは振動を続けている
シルエットは不確定だ
update2005/09/14
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夜に
花屋敷の裏手で
夜中じゅう稼動している
小さなクレーンがある
花屋敷屋台村?
の建設らしいが……
屋台村って?
花屋敷は何度も経営が行き詰って
経営が変わっている
そのたびに
鄙びた感じが薄くなる
鄙びた粋さというのは
売りにならないのだろうか?
ちょっと残念な気もする
update2005/09/14
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ヴィジュアル系
彼氏に会えない時はね……
保護してあるメールを読むの。
それで寂しいのを我慢するー。
えー。私メールは駄目。
写メールをいっぱい撮って
それ見てこらえる。
顔見えないと安心できなくない??
カフェで聞くともなく聞えてくる
会話
ヴィジュアルが優先か文字が優先か
面白い
でも全体的にはヴィジュアルが
価値を決めるのだろうな。
政治ですらそうんなだから。
update2005/09/13
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重いもの
重いものをどれだけ
受け止めることができるか?
リストラ的態度は
効率を求めたものだが
表現はその観点から見ると
無駄
からはじまる
update2005/09/13