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月逍遊技

月逍遊技…
月が彷徨う
月に彷徨う
とことん迷ってみたい
山本タカトの頽廃に
その頽廃にスポーツのように
汗を流す
少年がいる
少女の性器をもった少年が

山本タカトの家に向かう途中
雲が
黄金の光を
背から浴びて
向こうから堕ちてきた
鎌倉らしいな

久しぶりに
故郷の町に立った
僕はそんなことを思った

update2006/03/25

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水の記憶

谷中の猫町
夕焼けだんだんのあたり
ちょっと上から見ると
限りなく沈んで見える。

それはかつて
水底にあった町

萩原朔太郎の『猫町』を
そうした水の町だと思っていたら
記憶違い
水ではなく
モルヒネに歪んだ
逆鏡の中に
写る
猫たちの町
妄想の町
水の匂いはしない。

update2006/03/24

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向島の

向島五丁目は
人が猫になる町
古い遊廓の香りが残っている。
香りは
タイル。

角にあるカドという
喫茶店で
パンニーニを食べて
(これがなかなか美味しい。ヒマワリの種が付いている自家製パンにモッツァレラ…)
長明寺の桜餅を一つ買って
土手の桜を見にでかける。
ああ、でもまだ三分咲きだ。

update2006/03/23

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モレスキン

モレスキンのフォルダーの中に
千切った文庫の
一ページが入っている。

一ページが欠如した
文庫が
存在している
その不在の実在を
どうやって埋めようかと
長いこと模索してきたような気がする。

答えはまだ
ないけれど

ちょっとだけ踏み込めそうな気もする

脳の皮膚が
破れたビニールのように
色を帯びてきた

update2006/03/22

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フロー

最近、口角泡を飛ばして
話しをするということがなくなった
代わりに
メモをつけていたりする
最近は、カランダッシュの赤いボールペンで

ふと
その時まで
思ってもみなかったことが
浮かんだりもする

球体関節人形は
密やかに捩れている

update2006/03/21

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俳優修業

以前、桟敷童子の公演をみたことのある
中野光座
唐版『俳優修業』を松本修が演出する。
モードの新旧俳優陣が出演。

たまたまとなりに唐十郎が座っていた。
ロマンティークが終わったかどうか。
そんなことを松本修は検証していたように
思う。

update2006/03/20

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雨の降る日が

驟雨の似合う
窓がある
たまたま訪れたルーフのカフェで
ぼんやりしていたら
驟雨が窓を叩いた

仏蘭西を気取った
カフェの窓からは
そのままパリの薫がした
ちょっとアンニュイで
春を待つ
あの感じ

update2006/03/17