pickup

rss

    news

  • editor's talk

editors talk

2008/08/21

ものの見方

ものの見方は

いろいろだ。つくづく思う。

今、展示している堀佳子さんの人形も、人によって
いろいろに見える。

自分にとっても展示するとまた
新たな発見がある。
体験すると人形はことなる。

歌舞伎の芸の見る向きも違うんだと改めて思った。
夜、作家さんたちと歌舞伎の話をしながら、

先代の勘三郎と当代の吉右衛門の次左衛門の違いなど話をしていた。

何より芝居の見方が僕は違うと言われた。
歌舞伎は誰が好きなのと言われて
口ごもっていたらびっくりされた。
芝居は役者にはじまり役者に終わると…。のめり込んでなんぼの世界だと。

たしかに…。
僕は、のめり込むけど役者よりは
芝居を見ている。

人形もどの子が好き、とか聞かれるけど
口ごもる。誰かを中心に、この子が好きかということを中心に人形を見ていない気がする。

では何を見ているのか?
と、聞かれると困ってしまう。
人形ということなのだろうか。

同じようにものの聴こえ方も違うんだろうな…。
落語のどれが面白いかも人によってそれぞれ。
しかもその聴き方が本の知識やいわゆるって
やつに左右されているとしたらね。


go to top

editors talk

2008/08/20

蔵前・ハトヤ

DSC07405.jpg
レトロなレトロなハトヤ


堀佳子さんのセッティングで徹夜が続いている。
ふと思いついて
朝方に
蔵前まで自転車ででてみた。

都営・蔵前の地下鉄の階段途中にある喫茶店・ハトヤ
なんと地下鉄が開くと同時に開店。
すごい。
そしてもうモーニング・セットも
スパゲッティ・セットもスタンバイ。

スパゲティ・セットは
スバ下ティが2色!!

感動ものだ。
値段ももちろん安い。

はまるかも。

go to top

editors talk

2008/08/18

弾丸ツアー

DSC07391.jpg
って

JTBの登録商標だったんだ。

16日の深夜にビスをたって
18日の午後2時に戻ってきた夜想の弾丸ツアー。

堀さんのアトリエから
展覧会用の人形をトランスポート。

スタッフの若手が強行輸送。
ついた人形が梱包から解かれ
展覧会の準備が佳境になる。

堀佳子さん秘蔵の人形。
佳子さん最後の展示だ。販売もされるのでもう二度とお目にかかれなくなる。
夜想にとっても
貴重な邂逅となる。


go to top

editors talk

2008/08/18

劇団ペニノ 星影Jr.

DSC07361.jpg

有効な分析言語をもっているのは

精神科医かもしれない。
サンデー・プロジェクトで最も有効言語を放っていたのは
香山リカ、東浩紀だった。東浩紀は哲学だからそれには当たらないが、手法が人の精神を分析することを含んでいる。

+
少し前にみたイプセンの『野鴨』を演出したタニノクロウが、自分の劇団で『星影Jr.』を上演するので、見に行った。いろいろ思ったけれど、一番感じたのは、演劇の習慣的な枠をかなり壊そうとしているということだ。

まず言葉に関しては…歌舞伎、新派、新劇、小劇場…それぞれに独特な台詞回しがあって、それはもちろん日常生活で使われない言葉だ。そのインとレーションが、ジャンルを分けているといっても過言ではない。つまり特色をもたせているということだ。

どんなにリアルな演出といっても舞台の上の言葉は、演劇という枠に囚われたイントネーションをもっている。だが、庭劇団ペニノの舞台で使われる言葉は、かなり現実生活の会話の調子に近い。しかも役者同士が話している言葉だ。演劇の言葉は、対話をしているようで実際には観客に向けて放たれている。演出家・タニノクロウはそうした習慣となって硬直化している言葉を組み換えて解き放とうとしている。

ただし「かなり」というところがみそで、完全に日常ではない。演劇なんだからそれはあたりまえなんだけど、ふと日常か?と思わせるところがある。その「かなり」の部分がタニノクロウの新しい演劇感覚なのだ。

++
『星影Jr.』は、主役で子役のラヴェルヌ拓海が、2年前にフランスから日本に来て適応勉強中で、その彼のために役者が「擬似家族」を演じるという設定になっている。観客はそれを開演前に知らされる。これは演劇ですよという枠組みでなく、これはロールプレイングゲームですよという枠組みを観客に植えつけている。

少年のための教育プログラムとということで、1限目、社会の時間「大人とふれあおう」2限目、家庭科の時間「食べ物を大切にしよう」3限目、体育の時間「心と体を鍛えよう」4限目、道徳の時間「自由な心を持とう」という具合に進んでいく。疑似家族ゲームは、非常にリアルなやり取りから次第に、いわゆる不条理なできごとになっていく。

ウィンナーという妖精(?)の様な小人が登場したり、屋根裏に隠れ棲む婆が現れて盗み食いしたり、妻が犬になり、愛人突然現れて母の代わりをしたりする。妄想や夢の中では思ったり言ったりしたことが、そのまま現実になるということなのだろうか。そして突然、演劇は終焉する。

物事や演劇には整合性があって、結末があったり物語的なまとめがあるという安心感に対して、タニノクロウはかなり強烈な楔を打ち込んでいのかもしれない。『星影Jr.』からは、現実はもうそうした整合性をもっていませんよ、それに気づかないふりをしているんでしょう、という彼の現実的なメッセージを強く感じ取ることができる。

最後は、全員がでてきて葬式の風であるから、誕生日の前に少年が死んで、その少年が見た妄想が描かれたという枠に入っているのかもしれない。もしそうだとしたらその部分は、普通の演劇の枠だ。それが微かにあるだけで、劇団ペニノはかなり従来の演劇のルールから逸脱している。

+++
舞台装置にも革新性が見て取れる。庭劇団ペニノは、客席を個室状態にしてイヤホンで音声を聞かせたり、野外テントに廃墟空間を作ったりして、舞台装置にこだわりがあるのだが、今回は、昭和初期を思わせる家をかなりリアルに作っている。「かなり」りあるというその「かなり」にタニノクロウがいる。

かなりリアルなのだが、どこかに箱庭的な不思議なミニチュア感がある。その集約的な感覚に、現役の精神科医でもあるタニノクロウ独特の現実感が反映している。病んでいるという言い方ではもう済まないほどの病みは、そこを常態として受け入れないと過ごしていけないだろう。それが病みと同棲する唯一の方法なのかもしれない。タニノクロウの世界に、近代的自己や自我はでてこないのだ。そこには、理由もなしにずれていく人と人の関係がある。

go to top

editors talk

2008/08/16

キャラ立ちⅡ 福助

DSC07376.jpg
もしかしたら歌右衛門になるかもしれない

福助だが…

本領は他にあるかも。

八月納涼歌舞伎。野田版『愛蛇姫』。オペラ・アイーダの翻案。
それは良いのだが、どうにも野田シナリオぱっとしない。
夢の遊眠社時代に文語調の高速長台詞で煙に巻きながら、筋を絡めていくという相変わらずの手法を
歌舞伎座でも披露しているのだが、
勘三郎そこにかかると台詞が突っかかってしまう。そりゃぁそうだ。意味が分り難いもの。

おまけにだじゃれのオンパレード。昔は言語遊戯だった言葉の切れも今やだじゃれになってしまっている、野田秀樹。

収穫は福助。
扇雀の偽祈祷師・荏原( えばら)と福助の偽祈祷師・細毛(ほそげ)。
江原と細木なんだけど、キャラを作ってなり切っている福助の演技が面白いし巧い。
扇雀、福助ともに俳優祭で生き生きとしているタイプの役者だけれど
扇雀は扇雀の演技でコメディ。福助は福助がいなくなってキャラになって面白い。
福助は圧倒的に今どきだ。

新感線の『五右衛門ロック』の森山未来のキャラ立ちにも書いたが
役者の自分を消してなるというのは
ほんとうに面白い。


go to top

editors talk

2008/08/15

梅むら

DSC07329.JPG
相変わらず

美味しい、梅むら。
あんまめかん。

最近は早く閉まってしまうのでなかなか食べれなかった。
仕事の途中にちょっとよってみた。

味は心配ないけれど
マスターの表情が冴えない。
何となく心配だ。

go to top

editors talk

2008/08/14

歌舞伎座の快楽

DSC07377.jpg
歌舞伎座の快楽は

お茶とお菓子。
お茶は揉みだしの200円。あったか緑茶。
お菓子は杏大福。
良く買い占めらてしまうので、歌舞伎座に入ったら速攻、二階に走る。

お茶を飲み終わって
からのお茶をもって次のを買ったら
あ、お湯さしましたのに…
と言われた。
サービスで二杯目にお湯をさしてくれるらしい。

歌舞伎はともだち
で、裏技はかなり取材したつもりだったが
20年の不覚。
そうなんだ…ちょっと、とっても嬉しいかも。

go to top

editors talk

2008/08/14

人形と二次元

DSC06776.jpg

2ちゃんねるで2次元という用語が使われているが

2次元のリアリティ
現実の2次元化…
立体を2次元として把握する…

列挙したような感覚を
もう一度、咀嚼してみて人形のことを考えたいと思う。

アートと呼ばれていたものは
アプリオリに立体を立体として把握することを根底に置いていた。
絵でも立体に見えるように
そして立体として把握することを作る側も見る側も
了解していたように思う。

今、ちょっと異る感覚が
あるんだと…。


go to top

editors talk

2008/08/13

堀佳子展覧会

DSC07322.jpg
セガでコーヒーを飲みながら

展覧会の展示コンテを考える。

対談のときに引退を撤回してのビスでの展覧会を決定。
それから
堀さんは何度かの心境変化を越えて
今回の展覧会に到った

11月に新作の展覧会があるのだが
それまでに20年以上、自分の創作のために秘蔵していた人形を手放すことを決めて
その秘蔵展を急遽行うことにした。

堀佳子さんとだけ暮らしていた人形が
パラボリカ・ビスに来る。

人形と出会う度に
感覚が変化していく。変化というより深くという感じだろうか。
楽しみだ。

go to top

editors talk

2008/08/12

ちょっと駄目でも

DSC07333.jpg
ちょっと如何かなと思っても

気になるものには何度でも手が出てしまう悪い癖。

やっちゃいけないと分っていても
二杯目のパスタのゆで汁をソースに入れて
塩辛くしてしまうこと…。何度あったことか。
どうして懲りないのだろう。

もう駄目だと思っても歌舞伎蕎麦。
池の端の藪の新製品。

お、分離していた味が
巧く絡んでいる。
これはいけるかも…。

go to top

editors talk

2008/08/12

個を作る枠組み

少し前に

仕事をしていた場所の運営が
人的ないろいろで崩壊してから

人に対する態度や対し方を
毎日変えるようになった。
それは意志ではなく、受動による自動的な防御姿勢なんだと思う。

毎日、変えるから
変えた自分の性格をメモしておかないと
自分というものが分らなくなる。

ちょっと前
自分というものは、けっこうはっきりしたものだった。
いかに思い込みというものでできていても…。

輪郭が分らなくなった
自分を今はちょっと楽しんでいる。

枠がなくなったので
自由に感覚が出入りする。

気分が中に籠もったらこの状態はけっこう扱いづらいだろうなと思う。


go to top

editors talk

2008/08/08

野波浩さん

DSC07311.jpg
最近、末広町のセガは

ハートが綺麗にできない。これから展覧会とかトークショーとか、考える作業がたくさんあるので、ちょっと頭を整理。

トークショウにわざわざ、大阪から駆けつけてくれた野波浩さん
話がとても充実していて面白かった。
その話を中心に夜想が組めるかもしれない。

スタッフに案内されて、名古屋から野波さんのトークショウにわざわざ駆けつけてくれた
古くからのペヨトル・サポーターさんが感想のメールをくれた。
ゆるい感じと、ここだけはピントを合わせているという野波さんの本質を見事に見抜いていた感想だった。

植島啓司さんのギャンブルの本にはじまっていろいろ読んでいると
ギャンブルもアナログからデジタルに変化する時代なんだなとふと思った。
機械的、コンピュータ的デイトレ、金融投機的な動きに
非常にアナログ的な反応をしていた株式市場や商品相場が影響を受けている。
少なくとるというのは、写真も投機も同じことなんだろうけど
それが可能じゃなくなってきたというのが
いま
なんだろうな、と思う。

go to top

editors talk

2008/08/06

嵐が丘

子供の頃

読んだ時は
物語の複雑な構造とヒースクリフのワルぶりに
気持ちがいったが
夜想のヴィクトリアン特集のために
読み直したら、構造はそんなに複雑ではないことに気がついた。
二つの家を中心に読めばすっと入ってくる。

ゴシックな物語だ。
そして妄想が拡がる。
吸血鬼のようなという一文があって、
この時代、吸血鬼のイメージが定着していたことが伺える。

墓あばきがあってキャサリンは死んだままの姿。
そしてヒースは自殺するように死んでいく。
死後の恋。


go to top

editors talk

2008/08/06

グローブ

DSC07284.jpg
夜想のヴィクトリアンもようやくフィニッシュが近づいている。

畠山直哉さんが写真を焼いて届けてくれた。
その後、自転車でタンデム。

自転車用のグローブを自慢されたので、真似っこ。
早速、銀座まで走る。
途中、いつものようにイリーのコーヒー。

マキアート。小さなカップにハートを二つ。
ううん。上手だ。イリーで初めてかも。


go to top

editors talk

2008/07/28

久しぶりに

DSC07225.jpg
久しぶりに浅草地域からでて表参道に

以前、ビスで展覧会をやってくれたネオンが倫敦から帰国して展覧会をやっている。
写真を中心の仕事になっている。

売り込みだけでファッション誌の仕事をとっている。
ガッツが凄い。でも見かけは淡々としている。ぼーっとしているといっても良いかもしれない。
いいキャラだ。大物になるかもしれない。

帰りがけに久しぶりに雜味のないコーヒーを飲みたくなって大坊へ。
美味しい。

夜想のフィニッシュに会社に戻る。


go to top

editors talk

2008/07/28

裏名店

DSC07223.jpg
浅草の裏名店

表 大黒屋 裏 伊勢屋
表 梅園 裏 梅むら
表 駒形どじょう 裏 飯田屋
表 大亀 裏 とさや

最近は、裏の店も有名になっていろいろな本に載って、こみこみになっている。
人が多くなると味が落ちる店もあるし、相変わらず美味しい店もある。

さらに裏の店へ。
でもそれは味よりも別の何かを求めてということになるかもしれない。
伊勢屋の兄弟店 三筋のいせや。

伊勢屋の味はここ何年かで変わったがいせやのかき揚には昔の
名残りがある。
いせやの名物は予約制のエビサンド。
今度注文してみよう。

go to top

editors talk

2008/07/26

あつい

DSC07202.jpg
足がコンクリートと

一緒に過熱されて、白化してしまいそうだ。

感覚が少し拡張している。
何かが見えるような気がする。

何かが動きだしているような気もする。

go to top

editors talk

2008/07/26

エスプレッソ・ポッド

DSC07195.jpg
エスプレッソのポッドスタイルが

流行りそうな気がする。
もちろん自分の中だけど…。

気がついたらいろいろなメーカーで、ポッドを発売している。
買って試していこうかな。

原材料値上げで、生まれてはじめてコーヒーの値段を意識した。喫茶店のね。
一日、ずいぶん飲んでいるからなぁ。
500円突破が平均になってきた。立ち飲み系もかなり値段が高い。400円に限りなく近くなってきた。

10杯は飲めないよね。
ポッドを極めようかな。上手に入れるのは難しいけれど。


go to top

editors talk

2008/07/23

キャラ立ち 森山未来

DSC07178.jpg
自転車を立てかけて

朝のコーヒー。
そして考える。

一昨日見た、新感線の『五右衛門ロック』、森山未来が面白かった。
歌もOK、タップもやるし、ダンサー的な動きも魅力的だった。
あとで聞いたら、もうブレイクしているイケメン俳優…というか『ウォーターボーイズ』に出ている。気がつくのが遅すぎ。

ヴィジュアル系バンドのボーカルかと…一瞬、思った。
キャラが立っているというフレーズが頭に浮かんだ。
『五右衛門ロック』のカルマ王子になっている森山なのだが、他の役者、北大路欣也や古田新太がなっているなり方とちょっと感じが違う。独りだけ。

キャラが少し異る次元で動いている。凄く輝いている。
ヴィジュアル系のバンドにファンが殺到してそこからゴスロリとか、いろいろな現象が生まれた感じと何か重なる輝きだ。

実質の…もしかしたら存在したかもしれない何かになる…ということで演技する演劇ではなく
架空の何かに…現実にはいなさそうな誰かになる…という違いなのかもしれない。居そうでいない誰か…アニメやコミックの中で生きているような。

劇団・新感線はもともとアニメ好き、メタル好きだから
そのあたりは自在にこなす力をもっているのだろうけど
ほんとに目を見はるものがある。


go to top

editors talk

2008/07/21

『五右衛門ロック』 新感線

80年結成の新感線。

今だにやんちゃなパワープレイをする新感線。頭が下がる。さすがに古田新太のパワーは落ちぎみだけど…。もともとバイ・プレイヤーなので主役をすると照れが出るのかもしれない。

群舞の役者たちのジャンプの高さにちょっと驚く。そんなにパワーを出さなくてもコマ劇場なら効果で充分見せられそうなんだけど…原田保の照明もメタルの生演奏もパワフルなんだから。
いや、そうじゃない。役者で見せるんだ。役者のパワーで見せるんだという新感線の意気込みがいいなぁ。普通、四半世紀以上やっていたらやっぱりテクニックでかわそうとするだろうに。

ベテランになった時、どうするか?
これは大きな問題だ。
野茂英雄はコントロールを良くするためにフォームを変えた。
村田兆治は今だにまさかり投法でシニアで活躍している。56歳で140キロ。でも大リーグの始球式では緊張して120キロ。このあたりにも考えることがたくさんある。野茂は大リーグで投げ続けようとした上での決断だから…。

歌舞伎は、歌と舞いと演技でできている。現代の歌舞伎を標榜する新感線も、同じように歌(メタル・ロック)、ダンス、演技という三つの要素を軸に舞台を作っている。ゼロから物語を作りはじめ、曲を作り、踊りの振りを作る。舞台では、バンドが生演奏をし、登場人物がそれぞれ場面ので歌い、ダンスを踊り、演技をする。それぞれの要素すべてをオリジナルで作り上げ、コマ劇場のような大きな舞台で見ごたえあるものに仕上げるのは、とてつもないエネルギーと創造力とスタッフ力が必要だ。新感線はその実力を備えている日本でも珍しい劇団だと言える。

新感線は、上演の度に新しい試みをする。
今回は、出演者の全員がストレートな主役的な演技をするという挑戦をしている。いつもなら肩透かしのようなギャグを連発して観客の期待の裏切りながら物語を進めて行くのだが、今回はそれぞれの役者がカッコ良い演技をしている。現代ではカッコ良く見える演技はなかなか難しい。演じる自分も恥ずかしいから。
そこに恥ずかしがらない北大路欣也をゲストに入れた。古田新太、橋本じゅん、 高田聖子たちの劇団員も珍しくストレートプレイ。敢えて役者の力を真っすぐにぶつけ合わせた演出は、もちろん大成功している。特に森山未来の演技がきらきらと輝いていた。森山未来は、きっと肩透かし的な演技をしたがる役者だと思う。たとえば松田優作の斜に構えたスタイル…。しかし、いまは、ストレートな演技を磨くとよいと思う。今回の演技のように。

森山未来はダンスの感覚があって、なおかつどこかに変態チックな身体感覚がある。身体的な特質を全面的に出して、カッコ良さを追求したら大きくブレイクすると思う。(たぶん世の中的にはもうブレイクしているのだろうが…)

市川染五郎もゲスト出演した時、生き生きとしていた。今、新感線は役者をブレイクさせる力を持っている。かつて蜷川幸雄がもっていたような力を…。

go to top