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2007/12/26

ホラー小説でめぐる「現代文学論」

ヴァンパイアは
メディアとして非常に興味深い
まだまだやりたいことがある

現代のヴァンパイアものにも
いろいろなものが写しだされている

編集をしていて
どうしても見たいと思ったのは
テラーからホラーへの
変化だ。

変化は、何か大きなものを示してくれそうだ。
今の、アメリカ映画のあり方
そしてそれに何故、心を奪われるのかとか。

イベントでは
石田さんや菊池さんが
そのあたりを
語ってくれるだろうからとても楽しみにしている。

ホラー小説でめぐる「現代文学論」 は、そこに切り込みをいれようとしている本だ。
「壊れ」ている現代の人間とホラーの関係に
言及しているが

僕にとっては
納得させてくれたというより
たくさんの疑問を
セットしてくれた。

いろいろ考えていきたい。

妄想や幻影は
現実を生む
僕はそう思っているので
作品が時代を写すのではなく
作品が時代を生むのだと思っている。

もちろん時代の後から書く
エンターテイメントのジャンルは別だ。

そうではなく
時代がまだそうなっていないのに描かれる
幻想や妄想の作品について
考えたりしていきたい。

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2007/12/26

ドラキュラの世紀末     yasoヴァンパイア

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『ドラキュラの世紀末―ヴィクトリア朝外国恐怖症の文化研究』 丹治愛 
☆☆☆☆☆

お会いしたら非常にシャイな教授で
人前で話すの好きじゃないんですよね、インタビューもちょっと
と、おっしゃる。

『吸血鬼幻想』種村季弘が
ぼくたちの吸血鬼のバイブルだった。
今も、そうかもしれない。
この本で夜想は育ってきた。


しかし今では資料が抱負になり
丹治愛は新たに公開されたストーカーについて資料をふんだんに使いながら
さらにビクトリア朝の社会、経済、文化背景を研究して織り込んでいる。
非常に面白いし研究方法としても
注目すべきだ。



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2007/12/26

森村泰昌 荒ぶる神々の黄昏

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森村泰昌さんの
『なにものかへのレクイエム・其の弐』

毛沢東、ゲバラ、アインシュタイン、トロツキー、レーニン、ヒットラー。
荒ぶる世紀の、荒ぶる男たち。益荒男ぶりがとても良い。

モノクロの一発撮りの作品だ。毛沢東だけ、コンピュータ合成。毛沢東らしく。
パフォーマンス性を背後に秘めた作品は
森村泰昌の原点を感じさせ
改めて作品を作り続ける意志を感じる。

レーニンには
少なからず
かかわりがあって
それで
夜想のヴァンパイアにも

ヴァンパイア=森村泰昌=レーニンが
登場している。

モノクロのザクッとした感じが
21世紀から
時代を見ている森村さんの正直な感覚が出ていて
所有したいくらいの気持ちになる

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2007/12/25

月夜の出来事(1987)

yaso・ヴァンパイア・映画追加リスト ☆☆☆☆

夜の、月のでているシーンが美しい。
一方、陽の光を浴びてよろよろと身体からスモークを撒き散らす昼の耽美も備えている。

ジャン・ジャック・ベネックスの『溝の中の月』と同じで
耽美で拘りが満載の映画だが
興行的には今、一つだったようだ。

吸血鬼を西部劇でという設定を聞くだけで見たくなくなるが
これがなかなか。

馬の足のアップが
耽美であるというのは
ちょっと他では見られない。

女流監督とは思えない骨太さもある。

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2007/12/24

ドラキュラ ストーカー ☆☆☆☆☆


新妻 昭彦の翻訳と丹治 愛の解説。

これまでの平井訳は抄訳だったため
完訳がどうしても必要という熱意によって刊行。
出版社もよくぞ。

ゆっくりと読み解きたいのは
丹治愛の解説。
時代背景、小説の背景…
ストーカーのドラキュラが成立した背景が
網羅されている。


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2007/12/24

丸尾末広

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丸尾さんは夜想にも発表していない
新作を用意してくれた。
そしてコラージュの新作も。

『笑う吸血鬼』の原画も運び込まれた。
これだけ作品が一堂に揃うのは久しぶりではないだろうか。


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2007/12/22

ヴァンパイア文学800・アート

吸血鬼/ヴァンパイア文学800・アートの
選考会。表彰式が行われた。たくさんの応募、ありがとうございました。
東雅夫さんと菊地秀行さんがいらして大盛り上がり。いきなりヴァンパイアズ・トークの炸裂になりそうになったが30分ほどで選考会へ…。

800字の中に
幻想が織り込めるとは…。

吸血鬼というモチーフも
使いながら。

朗読された800字の文学は
また別の声をもっていた。

いろいろ考えさせられることが多かった。

何より
作ることのために作られた
純粋な感覚があって
ほんとうに
掌の上で
輝くような魂に感じられた。

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2007/12/21

吸血鬼の花嫁

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三浦悦子『吸血鬼の花嫁』

また
少し作品のディテールが
変わった。

変化は
かりっとした
何か…。

吸血鬼の花嫁は
血を吸われることを拒否して
美しい。

自分で血の口を開ける。

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2007/12/19

追悼 若桑みどり

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夜想を創生したころに
心底、力になっていただいた方の一人が
また
身罷ってしまった。


昨夜、ふと文章を書いていただこうと
思いたち
どうされているのかと
ネットで検索して
若桑みどりさんの死を知った。

10月に心不全で亡くなられていた。

アカデミックな研究をされている方たちが
敬遠していた夜想に
しかも『屍体』特集号に
原稿を書いていただいた。

思いではいくつもいくつも
あり
そして自分の美術の意識の形成に大きな影響をいただいた。

インタビュ−中に
若桑さんの猫が膝に飛び乗って来た。
話しをふと止めて
どうしてかね…誰の膝にも乗らないのにと
首をかしげられた
以来
若桑さんの家に行く度に
猫を呼びだしてくれるようになった。
僕は、
自分が若桑さんの猫と遊ぶのを見ている
若桑さんが好きだった。

なんであんたみたいな
アングラが私の原稿を必要とするの?

僕らにない歴史的な、大局的な見方は
極地的な視点で
動いている
僕たちにはとても必要なのです。

若桑さんは『夜想』のト−ンに合わせないで論文を書いてくれた。

ちょうど現代美術が日本に紹介されていた80年代初頭
ボイスやビュレンの公開討論会に
果敢に質問を投げ掛けていた若桑の姿は今でも鮮明に覚えている。
あくまでも美術史家の姿勢、イコノロジストらしい
質問をしていた。
トレンドに乗っている僕たちにはとてもできない質問だった。
そうそう
パオリ−ニの作品を読み解いたと
嬉しそうに笑っていたこともあった。

夜想があくまでも現場で
感覚的に紙面を作っていることを
猫が遊んでいるのを見るように
見てくれていたような気がする。


あの頃、
僕は、イタリアも、イタリア絵画も体感的に分らなかった。
イタリアに行って
絵を見るようになって
ようやく
馬鹿な質問の一つもして
何言ってんのよと一蹴されるくらいになったかなと
復刊夜想にまた甘えたお願いをしようと
思っていたばかりのことだった。

時が
自分を越えていくようになった。
できないことは
何もないと思っていたが
こうやって
時に負けていくのは
とても哀しい。

あと少し。


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2007/12/18

ミロク

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踊りの抽象度は難しい
モダン・ダンスのようにいったん
身体に入れて個的に

発露するというやりかたもある

抽象度をコンテンポラリーとして
表現するというのは
ちょっと見たことがない
勅使川原三郎がたどりついた一つの境地だろう

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2007/12/14

開場

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yasoのギャラリーに
ヴァンパイアの作品が勢ぞろいした

再び
yasoの季節がはじまる

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2007/12/13

プラトーン

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『シャドー・オブ・ヴァンパイア』の
シュレック役を演じたデフォー。
思いだして
『プラトーン』を見直した。

デフォーの演技はやっぱり凄いなと思う。

感動もする映画だ。
でも

忘れてはいけないのは
可愛そうな差別されるアメリカ兵
を描いているということで

決して
侵略されたベトナム兵の
視線から描かれたものではない。
ということだ。

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2007/12/12

ヴァンパイア・ドール

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恋月姫さんが
2体の新作を携えて会場に
到着した。

ビスに眠っていた蒼白の
ヴァンパイアの子が
密やかな息をはじめた

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2007/12/12

血の匂い

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糸が解れずに
いらっとして
カッターをふるったら
すぱっと指から血が吹いた

ああ
こういうことなのね
と、
納得した
意に反して

血は鮮やかなほど赤かった。

ぽたぽたと滴る血を見ながら
少し気分は落ち着いた

バンドエイドをして
二日
原稿を書いていると
腐った匂いが身体からしている感じがした。


身体を嗅いでみると
その
匂いは指の先からした。
傷は治っていたが
指の周辺からは
有機の鉄の腐敗臭がした

愛おしいものを
久しぶりに感じたような気がする。

吸血鬼は孤独に生きて
朝陽を浴びる
瞬間の愛が在れば
朝陽を浴びて滅びる

少し気持ちが分ったような気がした。


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2007/12/10

モンテクリスト伯

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アニメの
巌窟王はベクターの『虎よ虎よ』を下敷きにしたかったらしいのだが
権利をとれずに
その原作のモンテクリスト伯を使った

だからSF的なところと古めかしいところがある
うまくマッチしている。

ゆっくりと
原作を読んでいるが

連載新聞小説の
作り方の面白さを
味わっている。

モンテクリスト伯は日本では巌窟王と呼ばれた。
アメリカとフランスで映画にもなっているが
アメリカ版ははじまってすぐに
誰がモンテクリスト伯を陥れたかを明らかにしてしまう。
興醒めだ。
アメリカ的だ。

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2007/12/08

演技

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お客さんに自分を良く見てもらうキャラクターというのがある。
こういう風に演じると、わかりやすくて、好感をもたれる。
 書いているのは石田えり。

もっと言えば、上手な脇役という感じを観客に感じさせる演技もある。
名演
だと観客に思わせる演技もある。

それを越えての演技もある。
五代目の片岡市蔵さんは、余りの子悪党・悪役ぶりに
実生活までを疑われるほどったった。

『シャドウ・オブ・ヴァンパイア』のデフォーの
シュレック役も
もうホント気持ち悪くなるくらい嫌な奴と思わせる演技で(というか思ってしまった)
脇役の名演などという
範疇を越えてしまっている。

あとさき考えずに
評判も考えずに役に向っている
役者を見るのは
気持ち悪いところもあるが
それが役を演じることであると
思う。

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2007/12/06

猫のホテル 表現さわやか『ポエム』

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最近
劇団内ユニットにおめにかかる
猫のホテルだけでなく
他にもある。

それが大体がお笑い系なのだ。
ストーリーは緩く組まれているが
コント集が連なっている感じだ。



演劇は見て、考えて
そして自分が変わるものだと
思っていた。

『ポエム』には
向こうからこちらに来るメッセージはない。
向こうからメッセージが来るんじゃなくて
こちらのメッセージを吸い取って成立している。

観客は
うん、そうだ、そうだ
ということのために劇場の暗闇に入るのだ。

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2007/12/05

野鴨

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イプセンの『野鴨』には、グレーゲルス・ヴェルレという正義をかざして、人にその正義を強要する人物が出てくる。欺瞞に充ちてはいるが、平凡では幸せに暮らしている一家をクレーゲルスは、正義の強要によって崩壊させていく。でも崩壊を意図した訳ではない。
その正義の振りかざし方は、何か今の日本にとても似ていると思う。アメリカの感覚が写ったのかとてもクレーム好きになった。それも無為のクレームだ。建前の…。

どうにか暮らしている家庭が崩壊するように、集団が崩壊するまで正義君としてふるまう。
あなたのためを思って言っているの。
全体のためを思って言っているの。
それは違う。自分のために言っているのだ。正義ではない。プロデューサの笹部は正義の欺瞞を見せようとしてこの芝居を作ったように思う。
でも『野鴨』に答えはない。

メジャーリーグプロデュース『野鴨』
2007年11月1日(木)~30日(金)
シアター1010

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2007/12/04

野鴨 2

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野鴨は撃たれると水の中に潜り込んで
水底の藻や水草なんかを手当たり次第にかじりついて
二度と浮き上がってこないようにする

そんな引きこもりのような
鬱症のヤルマークの

妄想のような
夢を


私も抱いていたような気がする

できないと
他人のせいにして…

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2007/11/24

ヴァンパイア

yasoの『ヴァンパイア』特集が書店に出て、2週間、反応はどうなのだろうか…。
相変わらず時間がかかって1年数ヶ月ぶりのyasoであるので忘れられていないかとても心配だ。

書店の様相は以前に比べて早いサイトで変化していく。変化に耐え切れるかどうか。

hpの文字も書けなくなっていた。正直、人の関係でまいってしまって、行動力がなくなってしまっていた。ずっとそのことを考え続けたが、何も分らないし、対応もつかない。

頭蓋の中に籠もっていたので、おかげで久しぶりに本や映画を堪能した。ヴァンパイアに反映されていると嬉しい。

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