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2007/09/19

誰もいない倉庫で

人がいなくなった倉庫から
今日はでれるかと思ったのだが
まだ少し手間がかかりそうだ。

9月19日
山口小夜子の誕生日。
お別れ会が築地本願寺で催された。

小夜子さんは
僕の誕生日に風のようにこの世から消えた。

秋に
展覧会と山口小夜子特集の夜想を約束して
作業に入っていた。

寺山修司も土方巽もボイスも
死は大きな衝撃だったが
どこかに死の匂いがしていた。
覚悟というには意識していないのものだが

小夜子さんに消えるという予感はなかった。

小夜子さんは
これからの若い人たちとユニットを組んでいた。
ディレクションされるモデルやパフォーマーから
自分の意志でつくる人になろうとしていた
それも若い人たちの才能を花ひらかせようとしながら
その思い切った姿勢に
賛同して
bisと夜想での特集を決めたのだ。
二人で
そして若い共同者たちと。

会にでたら
蟄居している倉庫から出れると
予感していたが
そうではなかった。

そこには同じような
体質が横たわっていた。


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2007/09/11

ディ−ヴォ


ちいさな箱のなかに
自分がすっぽり入れるようになってしまった。
箱に穴をあけて
地面の湿り気に触れてみる。

二度と開かなくても
よいのかなと思う。
この箱の蓋が。

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2007/09/02

棺の中に寝ている

昼間になると
ようやく少しだけ眠たくなって
棺に入って寝ている。

そんな生活が
もう三ヶ月ちかくたった。

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2007/06/26

一夜の夢に 人形の館 

ナハトの黄昏た空気の中に
静寂を装った
騒めきがあった

それは
新たに組まれた十数体の恋月姫人形と
恋月姫さん
宝野アリカさんが
人形とロマンチシズムの話しをしていたから

隣には
ヴァンパイアを思わせる
男の子の人形があって
その子がいる
ということが
私を元気づけた

人形は元々
人を裏切って存在する
だから
それ以上のない憂い

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2007/06/13

アディクション

形態は
移ろっていく
移ろいが常態。

頭で分っていても
なかなか対応できないことの方が多い。

断って
そして
居るからこそ
変化も
新しさも来る。

しかし人間は
既知感などという
いいわけをしながら

振り返る
振り返るということに
アディクションする

攻撃的な料理は
少々荒くても
美味しい
そんなことを言われた

誰も
何も言わない
秘かに切断するのみ

言ってくれることは
何かになる。

仮に
Fという記号が
灯台をオーバラップして
存在したとして
それを隠すことは
断以上の断になる

そのとき
クリスタルの灯台から
きっと
振り返ってはいけないのだろうなと
私は自覚する。

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2007/06/08

この先は


この先は
危険なのかもしれない
突然
クリスタルのお守りが飛んでいき
蛇の玉がころころところがっていった。

警告なのか
身変わりなのか

やはり危険な地域にいるのかもしれない

見えないという
危うさと
それを
危ういと感じている
さらに危うさと

感じているということは
何かそういったものが
存在するのだろう。

引くか?
久しぶりに思う。

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2007/06/05

金子國義さん

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屏風にさらりと
舞妓さんの姿を
描き終わって
何事もなかったかのように
所作をしてみせる國義さん

鏡花と雪岱と六代目と
そんな
交わりのなかで
粋が動いていた
帝都の息を
この人はもっている

蠢いている
思惑の中で
それだからこその粋を
嬉しく思う。


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2007/06/02

一度失ったもの

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一度失ったことがあると
もう一度近づくことが
怖くなる。
それでも近づく。
怖がっていると自分が思うのが嫌だから
それでも
最後の
一枚の皮層を残してしまう
その時
視覚は微かに
色を失って
モノク−ロムになる

それが良いことか
悪いことか
そんなことは分らない。
どうでもよい。

そのぴったりした距離が
失ったものの
重さを測ることができるだけなのだ。

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2007/06/01

感覚が甦る

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田中未知の『寺山修司と生きて』を読んでいると
寺山修司が身体をもって
上演をしていた
その身体性を感じる

ア−バスの写真の被写体を見つめて
その人たちの
生きていた世界の空気を
想像した
そして錯覚として空気の匂いを嗅いだと
思った
その同じ空気が
『fur』にあったりすると
自分の身体も
もう地上にはない
向こうの世界にあるのかと
ふと
思ったりもする。

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2007/05/29

嶽本野ばらさん

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雨が降りそうで暑い
梅雨に入るのだろうか。

嶽本野ばらさんが
展覧会を見に来訪

久しぶりにいろいろの話しをした
もしかしてこんなにゆっくり話すのは
大阪以来?

人形
クロソフスキ−
ゾンネンシュタ−ン
話しはどんどん飛んでいく。


青木画廊のサロンで
日常だった会話


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2007/05/29

骨をかじる


大きく引き伸された
嶽本野ばらの写真
上半身に
鎖骨が羽のようにのびている。
背に羽根をもつ種族は見かけるが
咽の下に
羽の骨格をもつのは異種だ。

人が死んだとき
骨を一つ盗んで握りしめた
猫が死んだとき
白い磁器の壺に頭蓋を置いた
鎖骨のことはずっと思っていなかった。

骨を噛んでミサに出た人は
どこの骨を噛んだのだろうか。

そして
僕の骨を齧る人はいるのだろうか
それは
どこの骨?


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2007/05/25

今日から始る

のに
また雨だ。
晴れお君から
雨男に変わってだいぶたつ。
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先日は
晴れ男、森村泰昌と
VSをして
負けた。
撮影は天気予報を覆して
雨が降らなかった

でも
展覧会は
満足のいくセッティングになっているので
大丈夫
これから
これから

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2007/05/21

何をしたいのか


何をしたいのか
どうしたいのか
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聞かれるたびにちょっと考える。
その時、その時で
でもそんないい加減なことではなく
何かはす−っと
繋がって流れているのだと
思う。
ただそれが自分にすら分らないということなのだ。

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2007/05/20

扉の向こうへ

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扉の向こうに
明るい光がある
のは、ずっと前のこと

扉の向こうには
鏡の彼方には
何もない
闇がある

だからこそ
扉の向こうなのだ

昔は
闇を思うとどきどきした

いま
それは懐かしいものになっている
親しいものになっている

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2007/05/19

蝋燭の

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蝋燭の炎
そして去り難く

天井桟敷のあったところは
今、
ヒルズの地下に

田中未知の寺山修司を読む

そこにしかない

そこにしかない

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2007/05/16

滴 滴り落ちて

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滴りが
形になる
そんな変化が好きだ。

滴りは
流れてしまって
形にならないことが多い。

滴りを
落としては
流すことを繰りかえしている。

今もだ。

時々
ふっと形のようなものになるときがある

可能性というものかもしれない。
そんな微かなものでも
形成変化が起きるときは
なにか
わくわくする。

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2007/05/12

こんな風に過ぎていくのなら

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こんな風に過ぎて行くのなら
それも悪くない
浅川マキの
ダ−クネスを覗きながら
いつか、また何処かで、なにかに出逢うかもしれない。


でも今日は昏い。
きっと今夜は世界中が雨だろう

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2007/05/09

光の

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闇の中に
地表から放たれる光があると
そこに惹きつけられて
ふと
佇んでいる。

前田哲彦に
10年早いよ
と言われて
あれからもう25年が経つ。

曲がりなりにも
何でも出来るようになった時に
蝋燭をつけるんで
この赤はいらないっす
と、言われた時に

紫を作る赤だと
言う前に

あの時の
言われた自分が浮かんできた。

あの頃
突っ張ってたな
実は僕は
10年早いって言われても
最初は誰でも素人でしょ。
そしてあなたとのキャリア差は永遠に変わらないから
早いって言うのはおかしい
と言い返した。

もちろん
10年早いと言うつもりはなかったけど
好きにやるもの
延びていく
一つの方法だから…。

でも言うことで
何かを掴むのが早くなるということもある。
どっちが親切なんだろうと
ふと
思ってしまった。


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2007/05/08

紫陽花は

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蒼い
よくある紫陽花の色を見たとき
原理というのは
いいものだなとふと思った。

紫陽花で満艦の
明月院の側の
ピアノ教室に通っていた頃
澁澤龍彦の家をなんとなく
探して
見つからなかった
いつもいつも探していた。

澁澤宅に
おじゃましたのは
つい最近
紫陽花が育ちそうな
湿った土壌だった。


時間のずれが不思議な感覚を呼ぶ。

寺山さんが亡くなってもう24年。
澁澤さんが亡くなって20年。

確実に止まっている時計がある。

見続けた僕は
何もしないまま
終わってしまうんだろうな。
ふと
そんなことを思う。


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2007/05/05

カフェ・ギャラリ−

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相談してくれたら
絶対に止めたのに
西瓜糖の大西さんが笑いながら
言う。

カフェ・ギャラリ−は

大変らしい。

聞かないで良かったのか
聞いた方が良かったのか。


カフェ・ギャラリ−の
せいではないが
何故か
感覚がざらっとした日が
続いている。

何かの残滓なのか
それとも予兆なのか。

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