editors talk
2007/03/05
釜ヶ崎
レーニンになっている
そしてドラキュラかもしれない
森村泰昌のパフォーマンスは
釜ヶ崎の労働支援センターの庭で
敢行された
日雇いのギャラを狙う
ハイエナ達が
隣接する
三角公演の角々に立っていて
賭場を監視している
憂国
それは様々なレベルでの
おそらく文化ということも含めて
だから森村泰昌は三島由紀夫にも
なったのだろう。
僕は黄昏のなかで
「でわっ!!」
「赤い旗を・・・・・あげてくださいー」「振って下さいー」
と労働者の演出をした。
動かないでと頼んで
静かな1分間が流れた
その空気の中に
僕は自分の黄昏ているなかの
微かな曳航を感じた
これも良いなあ。
いやこれが良いなぁと。。
editors talk
2007/03/03
しのぎ
明日
しのぎ が出所する
気をつけた方がいいよ。
ボロを纏った路上生活者を
後ろから襲って
なけなしのお金を奪う
しのき たちが
出所する
気をつけてくださいね。
弱そうな人を後ろから襲いますから
鉄パイプで
後ろからは
やらない
鉄パイプも使わない
弱い人を襲わない
でも
しのぎの連続で生きてきたような気がする
そして
明日からも。
editors talk
2007/02/18
天王洲
天王洲の天空城に
向う途中
地下鉄やモノレ−ルの乗り継いでいるうちに
視界が揺らめきはじめた
入口を求めて彷徨っているのか
出口を探しているのか
チュ−ンのあいが
ぴたっとくる日と
ブレた映像の集積が
像として
存在として
受け止められる日と
交互に
くるようになった。
editors talk
2007/02/07
鎌倉物語
『ピンポン』で窪塚が飛び込んだ(ことになっている)江ノ島の橋の
下の海 水が深くなっている。
地続きだった江ノ島がいつのまにか
島になっている。
いつ?
島に汚れた歌舞伎のポスタ−
今日の公演?
しかも友達の京妙と歌女之丞が出演する
楽屋に顔を出して
切符を手配してもらう
突然あらわれたのに
二人とも来るのを知っているような気がする。
歌女之丞、京妙ともに
熱演。
釣り女の歌女之丞。手慣れたもの。
鏡獅子の京妙、可愛い。
終演して
1000人近いお客さんがどっとでる。
ピストン輸送用のバスが劇場に横付けになっていたが
乗れそうもないので
橋を歩きだした。
歩いている僕を
バスがどんどん追い越していく
のに
そのバスには誰も乗っていない。
藤沢行きも
鎌倉行きにも…。
?
「今日は大変だったね。」「そう一人、人間が交じっていたからね。人間のかっこうのまま見なきゃならなかったからね」
「久しぶりの歌舞伎で、気持ちが高揚した瞬間に素顔をでちゃったりしないか、心配だったよ」
そんな声が聞えてきたような気がした。
僕は振り返らないまま
江ノ島を後にして
ロンディ−ノに向った。
風が強い
魂が飛んでしまいそうに
editors talk
2007/02/02
王様ゲ−ム
リヨンに伝わるお菓子の遊び。
人数に切ってジャンケンして順番に取っていく。
なかに当たりの小さな陶器が入っている。
ジャンケンに勝って
一番にぱっと取ったら当たり。
こんなにゲ−ムに鮮やかに勝ったのは久しぶり。
王冠を付けてちょっとご機嫌。
ハ−ドで
流れによって
身体や意識まで
変化することを許容している
今の僕には
ちょっとしたプレゼントになったかも。
明日も
editors talk
2007/01/23
滅びていく
滅びていく
街は
まだ1000年の時をもつ
そこにいつか
骨を撒いてもらおうと
夢を見る
光の中に
この身が溶ける
editors talk
2007/01/21
コアを
ようやく
コアなものを考えたり
触れたりできるようになってきた
ような気がする。
これからだ。
editors talk
2007/01/18
畠山直哉展
久しぶりの鎌倉
畠山直哉展
今から50年前に
ムンクを見た美術館
その時は父親に手を引かれていた
30年前に
何度も通っていた
ミルクホ−ル。
同じ席に通された。
ふっと時間が飛んだ。
30年も一昔。
気がついたら
うたた寝をしていた
ふっと目が醒めたら
あと10年
あり得ないことじゃない。
でも変わらないままの
未来は保障されていない。
駅ビルで
ご飯を食べていたら
となりに
70歳を越えた
同級生達がお葬式の帰り
わいわいと子供のように話している。
店をでたとたん
杖をついて
急に老人になった
百年経ったらまたおいで
その時
その意味分るだろう。
editors talk
2007/01/11
誤解しない方が
グランド・オ−プンの『耽美』展は、1300人の入場者が来てくれて
ある意味
大成功に終わった。
誤解しない方が良いのは
そして自分に戒めて思うのは
このことをベ−スにしないということだ。
常に
ゼロから
またはじめるということだ。
editors talk
2007/01/02
白い蛇の
実家の裏山を越えていくと
銭洗井弁天にたどりつく
一日の朝早くここに来るのは
30年ぶりぐらいだろうか
何も変わらず…
茶店で甘酒を飲んでいたら
どこから来たの
と、店の人に聞かれて
はぁと・・・になっていたら
白蛇様が御利益を持ってきたのかと思った
と言われた。
白髪が
そう見えたのかもしれない
演技が良いのはこちらかもしれない。
蛇年。
白蛇の千社札をもらったばかりだったし。
銭洗のお金の御利益を受けたことはないけど
何かよいことがあるかもしれない。
そう思おう。
editors talk
2006/12/31
心が
傷めた肋骨はだいぶ良くなってきたが
散り散りに
傷めた心は、欠片になってあちこちに散乱している。
散乱した欠片を
集めて形にする
リペア−作業もまた次に起きるだろうことを思うと億劫になる。
何度も繰り返す
愚行は
次第に自分から感情を失わせていく
他人はまるくなった
静かになったと
言ってくれるけれど
感情が動かないということは
最も生きていてつまらないことだ。
怒りに満ちて
とげとげと悪意を放っている
若さを見ると
羨ましいと思う。
暴走したり空回りしたりする
感情が
今は懐かしい。
再び
零次元
望むと望まざると
ゆっくりと
独り
深海のような昏さに身を任せながら
年を越える
editors talk
2006/12/29
カ−ドマスタ−
駄目な魂が
口から出てしまうことがあって
別に
カッコつけて生きてきた訳ではないんだけれど
それはさすがにしなかったのに
とろっと
出てしまう。
自我が溶けて
周辺と
交じり合ってしまっているからだろうか
魂が気を許して
自分の体内のような気で
夜や朝やイブの肋骨に
出てきてしまうのかもしれない。
そんなとき
他人は僕のカ−ドを
読みきってしまう。
10年前
ポケモンカ−ドゲ−ムが始った時
僕はカ−ドマスタ−になろうと
努力した
その
まったく逆の状態で
僕は
今、立っている。
editors talk
2006/12/20
今日はお茶マスター
今日はお茶マスターをつとめた
ポケモンのメンバ−に
延々お茶をいれつづける。
楽しい。
上海のお茶マスタ−は
日本語がぺらぺらの
もしかして日本人の妖しいおじいさんだった。
若いく−にゃんを使っていた。
なりたいかも…あんな風に
もう枯れてしまっているな……。
editors talk
2006/12/18
気分はもうクリスマス
世の中の
気分はもうクリマス
なんだけど
パラボリカ・ビスを立ちあげて
いつもと
かなり異ったクリスマスになりそうだ。
先は見えない
何でアスペクトもなく
新たなことをはじめてしまうのだろう。
いつものことだけど
今度は少し感覚が異る
何が起きるのだろうという
不安に
かなりポジティブな感覚が含まれている
editors talk
2006/12/18
カタコンベの
パラボリカ・ビス
ナハトの会場は
カタコンベのように暗い
そこには
世界一美しい屍体と
言われた少女の残香がある
editors talk
2006/12/17
人形を人のように 山口小夜子
人形を人のように操ろうという
欲を抑制したとき
いや山口小夜子にはもともと抑制する欲望はないのかもしれないが
人形は人の意図した生命感でない
人形の生命感を顕にする。
不思議な邂逅だった
山口小夜子がナハトの深い森で見つけた
恋月姫の人形は
白い肌をしていた
そして小夜子が抱き上げて
空にかかげる度に
確信者としての不敵な微笑みを
他人には見せない
かんばせの下で見せる
人形はしだいに小夜子の顔を纏い
透明になっていく
人形に名前は
まだ
ない